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リフォーム : 大谷口K邸

増築せずにスペースをつくり出す
リフォーム : 大谷口K邸

K邸は、以前耐震リフォームをさせていただいた現場です。
奥様から、サンルーム的なスペースを増築したいというご相談がありました。
現在はLDとしてお使いの洋間が、テーブルセットを置いただけでいっぱいのスペースなので、体調の悪いご主人様をお世話しながら、家事をしていて疲れた時にちょっとゴロッとなれるソファを置きたい、自分のお友達やちょっとしたお客様が見えたときに、お茶を飲みながら話せるスペースにもなればいい、というご希望でした。
K邸は、ご高齢のご夫婦お二人のお住まいで、2階も含め、お部屋は余っている状態でしたので、増築せずに問題を解決することをご提案しました。
雑然としていたキッチンの背面に天井までの収納を設け、離れたところに置いてあった食器棚を整理したことで、スペースが広がり、奥様が休めるソファが置けるようになりました。 さらに、増築のために考えていたご予算で、介護のためのトイレ、洗面所を改修することもご提案させていただきました。

before
before 現況図面
after
after リフォーム図面

LDK

背面収納は、奥様の使いやすさを考えて寸法を決めています。カウンターは、電子レンジ等の使いやすいハイカウンターとし、炊飯器は引き出して使えるトレーに収納しました。カウンターの後ろの壁は、汚れを拭きやすいキッチンパネルを貼っています。日常使いの食器はアイレベルに、クリアパネルの引違い戸で中が見えるようにしました。
キッチンとの間隔は60cm程度なのであまり余裕がありません。カウンター下部収納は、しゃがんでも取り出しやすく、内部を広く使えるように、開き扉や引戸ではなく、フラットに閉まり、横にスライドして開く金物(モノフラットリンクスヒンジ)を使いました。

before
before LDK
after
after LDK
キッチンの背面収納
after LDK2
リビング入口
before
before LDK2
after
after LDK3
新たなスペース
after LDK4
ダイニング
after LDK収納1 after LDK収納2 after LDK収納3
モノフラットリンクスヒンジの開閉
after LDK収納4
引き出しトレー

洗面所・トイレ

トイレの入口スペースが狭く、もし将来車椅子を利用するようになるとアプローチが困難になるので、既存の廊下側の入口を塞ぎ、洗面・脱衣室から入れるようにしました。その際、洗面・脱衣室とトイレの床は一体にし、車椅子でも利用しやすいように、扉はアコーディオンドアとしました。
トイレ内には、トイレットペーパー、介護用品等の収納棚も設けました。カウンターは手すり代わりにもなる高さになっています。
廊下からの洗面・脱衣室への入口は、段差があり、引戸は重くて動きにくかったので、段差をなくし、上吊りの引戸としました。
トイレ+洗面所+浴室の繋がりができたことで、介護時のお掃除もしやすくなりました。

before
before トイレ
after
after トイレ
新トイレ入り口
after トイレ収納1
after トイレ収納2
トイレ収納棚
before
before トイレ2
旧トイレ入口段差
before 洗面所
旧洗面所入口段差
after
after 洗面所
洗面所・トイレ床(バリアフリー)

その他

その他1 ニッチスペース
ニッチスペース

その他2

キッチンの背面収納を設けるに伴い、リビングの入口を移動して生まれたニッチスペース
和調の市松模様のクロスにニッチの朱色がアクセントになり、玄関を入って、LDまでの中廊下の突き当たりが、小さな温かみのあるコーナーになりました。
ニッチには奥様手作りのお地蔵様と小さな9匹の猿「苦(九)難が去る(猿)」が飾られていました。

ダイニングテーブルの脇に筋交いを避けて埋め込んだ飾り棚

テレビや照明のリモコン、ご主人のお薬置場になります。

洗濯機上部の収納

雑然としていた洗面所も、トイレの収納や、洗濯機上部の収納棚で整理できるようにしました。

その他3 ダイニング棚
ダイニング棚

その他4 洗濯機上部収納
洗濯機上部収納

hintリフォームのヒント

吊引戸と縦手摺
吊引戸と縦手摺

お子様が巣立って、ご夫婦お二人のお住まいになってからは、安易に増築するのではなく、今あるものを整理してスペースを広げることもひとつの方法でしょう。
お年寄りのお住まいには、照明やトイレの蓋の開閉、手洗いの水栓などにセンサーを利用すると、動作が楽なだけでなく、消し忘れや閉め忘れなどを解消できます。
また、上吊り引戸は開閉がスムーズですが、動きが軽いため体が不安定になりやすいので、手前に縦手すりを設置すると安心です。引手は、手がかりが深く、手がかけやすい「立体引手」にすると良いでしょう。

リフォームのヒント2
センサー付きトイレ

リフォームのヒント3
立体引手

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