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2007/06/20
私たちのコラム・エッセイ等を載せていくコーナーです。

健康に配慮した家づくり
西洋と日本の建築デザイン
卒業制作副論
急募!JW-CADオペレーター

 

 

2008/10/02

最近の新築住宅では、あちこちに「F☆☆☆☆」のマークが目に付くようになりました。 「F☆☆☆☆」を使っているから安心ですよと言っているようで、規制対象外の商品にもわざわざ使用しているメーカーもあります。
「健康で快適に暮らせる家に住みたい」という消費者の心理を利用した宣伝文句を掲げている会社が多くなりました。
「健康住宅」「自然素材」「シックハウス対策住宅」「F☆☆☆☆建材使用」・・・
しかし、いったいなにを基準に「健康住宅」と言っているのか、一部に自然素材を使っていれば自然志向と言えるのか、
F☆☆☆☆建材を使っていれば安心なのか・・・。
「健康住宅」や「自然素材」とは、そんなに安直なものなのでしょうか。

平成15年7月1日より、シックハウス対策の実施が義務付けられました。内容は、一部の化学物質が発散する建材の使用量を制限することと、24時間換気システムの設置です。
規制対象となったのは、ホルムアルデヒドとクロルピリホスの2物質だけで、クロルピリホスは全面使用禁止、ホルムアルデヒドは発散量に応じて使用量を制限されました。しかし、発散量の少ない「F☆☆☆☆」は使用量に制限がありません。そして、ホルムアルデヒド以外の化学物質に関しては今のところ無制限です。
法律で義務付けられたのは「ホルムアルデヒド対策」であって「シックハウス対策」ではないのです。
今のところ「F☆☆☆☆」を使っていれば法律上は問題ありませんが、法律を守ればそこに住まう人の健康を守り、病気にならない家が造れるかといえば、そうではないのです。

また、最近、特に若い世代でナチュラル志向の人たちが増え、「自然素材」「ナチュラルライフ」「エコ」などの言葉に敏感になってきました。 私はここ2、3年ハウスメーカーのコーディネーターをしていますが、若いご夫婦の、特に奥様が自然素材を希望されることが多いです。
確かに人間も自然の一部とも言われ、自然から生まれた素材が身近にあるのは安心感があります。
「ぬくもりのある無垢材仕様」ということばにひかれてやってくるお客様。
しかし、その無垢材は薬剤で防腐処理を施し、化学塗料で色付けした「無垢材もどき」である場合があるのです。
自然素材をうたい文句にしながら、本来の無垢材の特性をよく理解せず、説明不足のためクレームが発生するパターンが多いので、クレームを避けるためにこの「無垢材もどき」を使うことになるのです。
なんとなくよさそう、という感覚のお客様と営業、両者の理解不足です。
せっかく無垢材を選びながら、色を選ぶ際「手垢がつきやすいですよ」「子どもの工作みたいで安っぽいんですよね」などという、心ない営業マンのひとことで、自然塗料でなくウレタン塗装の光沢のあるほうを選ばれるお客様がいらっしゃいます。
「せっかく無垢をお選びですから、自然塗料にしませんか。本物だったら、汚れも傷も味になります。」と申し上げると、たいていは自然塗料になりますが、お客様によっては光沢のほうを選ばれる方もいらっしゃり、「無垢」ということばにひかれているだけなのだとわかります。

単純に「自然素材」を使えばいい家になるというものではなく、素材の性質を無視した無神経でアンバランスな使い方、技術の未熟さなどから、いただけないデザインのものが目に付きます。
自然素材の利用だけを売り物にするような「自然素材住宅」は決して美しくありません。
もっと素材そのものの性質を読み取り、心を傾け、技を磨き、そのものにしかない形、そのものにしかできないデザインに熟成させていくべきだと思うのです。

ことばに踊らされず、なにが本当かを見極める目を持たなければなりません。その上で健康で快適に暮らすにはどうしたらよいのかを考えていくことだと思います。

(Y.N.)

 

 

2008/02/28

 学生の時初めてヨーロッパに旅行した。その時の思い出で一番印象に残ったのが、パリのノートルダム大聖堂であった。その聖堂の前に立ったとき、石造りで重厚感があり荘厳にそびえたつ姿に圧倒されたものである。その姿はまさに石の塊でありながら、天にも昇るかと思える構造を現していた。またその内部は外観ではほとんど意識されなかったステンドガラスのバラ窓が、緊張する闇の中ですばらしい輝きを放っていたのである。宗教建築ということからその国、地域の人々にとって、威厳のある建築を求められたのであろう。我々日本人はその見慣れない建築物にその地域の人々以上の驚きを覚えるのかもしれない。なぜなら日本の伝統的な建築は、ヨーロッパのそれとは全く異質な木造であるからだ。
ヨーロッパの建築と日本の建築を比較することで各々のデザイン文化を考えて見たいと思う。

 ヨーロッパの建築は石造である。石造はひとつずつ石を積み上げていく工法である。まず壁を立ち上げるのである。そして壁で囲まれたひとつの明確な領域、閉鎖的な空間を形成することにより、最終的に屋根を支える構造となる。それゆえに開口部はあたかも壁をくりぬいた様に開けられ、私が聖堂で感じた闇と光の強烈なコンストラストは、そのことによるのではないかと思われる。
それに対して日本の建築は木造である。最初に一本の柱を建てることにより、その建築は構築される。柱と梁とで屋根を支える構造になっている。そのため大きな開口部を取ることができる。それによって外部と内部は空間的、視覚的にもつながり、光も柔らかく内部を照らすのである。
一本の柱から構築された空間は、あたかも碁盤にひとつの石を置いた姿に似ているように思われる。碁石の周りに、ある種の領域が生じるのである。その領域は西洋の明確な領域とは異質のものであり、それはあいまいな空間を形成しているように思われる。日本建築の工法的な特徴はそのあいまいな空間を生み出し、デザイン的には軒からの大きな庇や縁側を表出した。それは内と外への連続性、開放性をもたらすことになった。
このようなデザインは都市にも現れている。西洋は建築で囲まれた広場を中心に都市が形成されている。都市はひとつのかたまりなのである。それに対して日本の都市は連続性のある道のネットワークによって都市が広がっている様に思われる。

 絵画においてもこの文化的風土による違いがある。画家の中川一政は次のような事を述べている。

(「美術の眺め」講談社文芸文庫「南画論5」より)

 西洋の絵画は内に向かい、日本の絵画は外に向かった。日本人の芸術の感性が建築デザインにも何らかの影響をもたらしたのかもしれない。 デザインも芸術と関係するところは大きい。それは一言でいえば、デザインも感性にかかわるということであろう。 工法や感性の相違から、西洋建築は明確な領域を形成し内に向かい、日本の建築はあいまいな空間を形成しつつ外に向かったのではないだろうか。

(H.T)

 

 

2007/06/20

絵画作品を発表するとよく聞かれることがあります。タイトルの「領域」とはどんな意味で使っているのかと・・・しかし、なかなか一言では説明がつかないので困ってしまいます。 四年前に美大の卒業制作の副論で領域について述べています。今は多少考えも変化していますが領域に対する見方の原点ですので、この場にその副論を載せてみたいと思います。


領域の問題としての絵画

 ホームで電車を待っている時、交差点で信号待ちをしている時、雑踏の中を歩いている時、…… ふと、自分の時間が止まるのを感じるときがある。その一瞬、私の動きは停止し、回りの雑音は消え去る。ただ、心臓の鼓動と意識だけが緩やかに流れている。次の瞬間、現実が復活し、静止していた「あの時」の空間だけが、切り取られたようにとり残される。「あの時」… 私の意識は停止した体から遊離し、無限にどこまでも広がる。「私は何者なのか」「いったい何をしているのか」… 回りの世界から切り離された空間の中の自分を見つめる。そこには確かに別の世界がある。私の時間と周りの時間との「ずれ」ともいえるだろうか。
 時間の「ずれ」を意識しているうちに、いつからか、私の頭の片隅に「領域」という言葉がすみついた。人と人、物と物、人と物、それらの様々な関係は、時間の経過と共に変容する。あるときは明確に、あるときは曖昧に揺らぐ。その変容によってそれぞれの主体関係には、それぞれの「領域」ともいえる空間が生じる。その領域空間を見つめることで、私自身が存在する世界をも認識することができるのではないだろうか。
 私が感じる「意識の浮遊感」は、もしかしたら、領域空間を見つめることなのかもしれない。領域空間の不可思議さ、そして、「あの時」の無限に拡張する意識の感覚。その様な世界を絵画の中に表現してみたいと思っている。

 領域における人や物との様々な関係は、現実の世界に存在しながら、様々な要素を含有しているのではないだろうか。物の存在する空間、その物の占める領域は、他の物の空間や領域と響きあったり、貫入しあったり、または反発しあったりと、複雑な関係が見つめる時間の経過と共に生じてくる。
 「領域」をテーマに絵画を制作することは単に空間としてではなく、また、単純に三次元空間を二次元の平面に還元するということではないはずである。平面上にそれを置き換えてみたとき、ひとつの物の領域は他の物との様々な関係を意識させる。その意識は想像力の問題にも置き換えられるだろう。また、絵画の表現はある種の曖昧性があり、その想像力は観者との関係においても同様に意識されることが求められる。
 当初は絵画を表面に描かれたイメージという視点で捉えた。静物を平面化させると共に、新聞紙、麻布、寒冷紗などをコラージュすることで、三次元を還元させた二次元の世界と、二次元の物質とのぶつかり合いを表現してみようと考えた。平面化されたイメージの世界を試行するうちに、時間の経過とともに「変容する領域」をも意識するようになった。また、絵画は皮膜の連続として捉えることもできる。そして、その皮膜には時間的経過が感じられる。その皮膜の連続および集合の概念は、領域の問題の基本的構造を探る手がかりになるのではないだろうか。また、描き進むうちに、孔雀の羽や「眼」のモチーフによって、平面化された絵画と観者との間に視線の回帰が生じ、絵画の世界と現実の世界における不思議な領域が現れるのを感じた。
 私にとって、絵画に領域を封じ込めることは、イメージを封じ込めることであり、行為をも封じ込めることである。皮膜として捉えた表面に、行為の痕跡として、削ったり、引っかいたり、貼ったりを試みた。コラージュされたものはコンポジションとしてのみ存在するのではなく、絵具で塗り込められたりもしている。最近では、グラインダーで削り落とすことを試みている。そこには、行為(=時間)の断層とも思われる皮膜が表出する。その行為の断層は、絵具やコラージュされた物の集合であったり、重なり合う連続であったりする。また、はがされることによって、過去の表現と、現実の表現との時間の「ずれ」も表出する。
 封じ込められたものは、エネルギーのようなものを持っている。それが、何かアクションを起こすことで、たとえば科学物質が何かの振動で爆発するように、飛び散るのだ。それは、そのイメージの一部分であり、破片であったりするのだが、飛び散ったイメージのかけらはそれぞれにまた新たなイメージに拡張していく。そしてそれは、時間の経過とある種の質的変換を経て、いつしか他の空間と同化していく。変容する領域を追求していくことで、封じ込められたと思われる絵画空間に、私が感じる「意識の浮遊感」、無限に拡張していく感覚を表現することができるのかもしれない。
 今様々な表現の行為を試しているが、次第にその要素を少しずつ取り去ることで、静かさや時間の停止、その中のわずかな揺らぎなども実現できるのかもしれないと考えている。
表現手段の最小単位と思われる二次元の平面に行為(=表現)を封じ込めることによって、小宇宙とも感じられるような絵画空間を表出することを目指したいと考えている。

(2004年3月 京都造形芸術大学卒業制作副論)(H.T)

 

2007/06/20
はじめてのコラムに求人案内とは少々お門違いですがご容赦願います。
私たちの事務所はなるべく外注に出さない様に設計期間は余裕を持って仕事をさせていただいています。なるべく手の平の中でコロコロと転がす様に、設計を楽しみながら出来たら良いなと思いながら・・・
また事務所を特に大きくしようとも考えていなかったので、社員を入れようなどとは今まで全く考えていませんでした。
しかし、最近仕事量が増えてきて思うところがあります。全ての仕事をパートナーのコーディネーターと二人でこなすのは限界がありそうです。
傍で図面の修正のお手伝いをしてくれるスタッフがいてくれたら、私のやるべき仕事の質も上がるのではないだろうか・・・パートナーも本来の仕事に集中出来るのではないかと。
また、手書きのスケッチ図面をCAD化出来る人もいたら、よりスムーズに仕事をこなせるとも思います。
しかし、いきなり社員募集というわけにはいきません。経費の問題もありますが、今までパートナーと二人でやってきた事務所ですから、その設計スタイルを壊したくないとも考えています。できれば、アルバイトやパートさんのようなスタイルで、お手伝いしていただける人を希望しています。
一日3時間程度、時間帯は10:00〜20:00の中でご相談したいと思います。土、日曜日の勤務も可能です。週に二日以上出勤していただきたいと思いますが、状況によっては持ち帰っての委託業務でも良いかと思っています。
時給については能力にもよりますのでご相談になりますが、1000円から2000円程度と考えています。
表題にはJW−CADオペレーターとしましたが、建築士の方や設計が好きな人大歓迎です。是非JW−CADが出来る方、ご一報ください。新しい息吹をアトリエ アル・セッションは求めています。尚、事務所は禁煙ですのでよろしくお願いします。
(H.T)
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